発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005064336
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75歳男.四肢のしびれ,動きにくさ,腰痛を主訴とした.右人工膝関節全置換術,腰部脊椎管狭窄症にて椎弓切除術の既往があり,今回,特に誘因なく主訴と巧緻運動障害が出現した.その他にも頸部痛,四肢の知覚鈍麻,右側肩関節と肘関節屈曲の筋力低下,深部腱反射消失や排尿障害がみられ,単純X線像ではC4以下の骨棘形成と変性変化,腰椎椎体前方の骨棘形成とL3-L4椎体間の破壊性変化を認めた.また,造影MRIではC3/C4の脊柱管腹側・背側,L3/L4椎体間および硬膜外腔に造影効果のある軟部陰影を認め,脊柱管は狭窄していた.原因不明の腰椎破壊性病変,腰椎,頸椎の硬膜外腔の占拠性病変による不全四肢麻痺と診断し,頸椎の脊柱管拡大術(伊藤変法)と腰椎の脊椎再建術を二期的に施行した.頸椎,腰椎の術中生検組織には靱帯や軟骨成分近傍にアミロイド沈着が多くみられ,免疫組織学的検査にて非AA,非ALタイプのアミロイド沈着による硬膜外病変ならびに骨破壊性病変と診断された
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