発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004155462
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30歳男.約10年前から右小指球部に痛みを覚えていたが軽度であったため放置していた.4年前,疼痛が増強したため近医受診,消炎鎮痛薬を投与されたが効果なく,痛みはさらに増強し把持動作も困難となり自施設を受診した.Guyon管の約1横指末梢部のきわめて限局した領域に軽度の圧痛と,寒冷刺激による激しい疼痛を認めた.同部はMRI T1強調画像で低輝度,T2強調画像で高輝度,Gd造影像で造影される直径5mmの腫瘤として描出された.これらの所見からグロムス腫瘍,神経鞘腫,神経線維腫,血管平滑筋腫などを疑って試験切除を兼ねた腫瘍切除術を行い,病理組織学的にグロムス腫瘍と診断した.疼痛は術直後に消失し,術後1年6ヵ月の現在再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004