発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004155463
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58歳女.飼いネコに左母指を咬まれ同部に疼痛・腫脹が出現,38℃の発熱も出現したため2日後に受診した.母指末節の側面に咬創があり,漿液性の排膿を認めた.皮膚化膿症と診断し,創部を切開,洗浄のうえ抗菌薬治療と創部開放療法を行ったところ疼痛は軽減し発熱も治まったが,開放創からの排膿は持続した.受傷後7日目と12日目に採取した膿の培養検査でPasteurella multocidaが検出され,X線検査で母指末節骨の溶骨像を認めたことから化膿性骨髄炎と診断した.腐骨掻爬術を施行し,術後にホスホマイシンカルシウムを点滴投与,開放創は硫酸ゲンタマイシン溶解生理食塩水で洗浄していたが,屈筋腱に化膿性腱鞘炎を発症した.腱鞘切開術を行い,術後に塩酸セフォチアムを点滴投与することでやっと感染徴候は消失し,受傷から24日で治癒した
©Nankodo Co., Ltd., 2004