発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004048444
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46歳女.15年ほど前から家族関係の不和に起因する精神的ストレスを機に体重減少が始まり,3年後には神経因性食思不振症と診断され向精神病薬の投与を受けた.さらに2年後には足趾痛が,その4年後には手指の関節痛と皮下結節が出現し,結節穿刺液からは尿酸ナトリウム結晶が検出された.その後,高尿酸血症のコントロール不良のため徐々に手指の変形が進行し,3年前から下肢の浮腫・尿量減少がみられはじめ,慢性腎不全と診断された.今回,痛風結節切除と関節形成術を目的に入院となった.入院時,左母指IP関節と左中指DIP関節に巨大な痛風結節を認め,全身所見では著明なるい痩(身長152cm・体重27kg)を認めた.以上より,手指巨大痛風結節に対して結節切除術と関節形成術を施行した.術中所見ではそれぞれの関節に径2cm大の黄白色弾性軟の結節が存在し,可及的に切除した.病理組織学的所見では無定型の尿酸結晶が多数存在し,その周囲には多数の異物巨細胞・組織球がみられた
©Nankodo Co., Ltd., 2003