発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004148679
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下肢悪性骨・軟部腫瘍に対し広範腫瘍切除を行った20例における術後深部静脈血栓症(DVT)の発生頻度を,腫瘍用人工骨・関節置換術を施行した8例と人工骨による再建術を行わなかった12例に分けて検討した.又,対照として非腫瘍性関節疾患に対する通常の人工膝関節全置換術(TKA)の13例と人工股関節全置換術(THA)の26例との発生頻度も比較検討した.その結果,広範腫瘍切除後に腫瘍用人工関節置換を行った症例のDVT発生率は67.5%と高く,通常のTKAやTHAの発生頻度に比べ高い値を示した.しかし,広範切除だけで人工関節を用いなかった悪性骨・軟部腫瘍症例のDVT発生頻度は30.8%と低かった.尚,腫瘍広範切除におけるDVTの危険因子についての検討も行ったが,今回の検討では明らかな危険因子は指摘できなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2004