発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005039453
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超音波検査法(US法)による術後下肢近位型深部静脈血栓症(DVT)の診断に対する信頼性を検討した.対象は1999年から5年間に,下肢,骨盤,脊椎手術後近位型DVTが疑われてUS法で検査した後,引き続き静脈造影法(VG法)を施行し,両者の所見を比較・検討できた145例159肢とした.US法で術後に検出できた近位型DVTは44例46肢で,症候性DVTは26肢であった.臨床症状を認めなかった92肢のうち20肢に近位型DVT群を認めた.US法のVG法に対する近位型DVTの診断精度は,感度は95.6%,特異度は96.5%,正診率は96.9%であった.VG法で確認された44例全例に肺血栓塞栓症(PE)の検索を行い,11例にPEの所見を認めた.そのうち症候性PEは3例であった.症候性DVT症例と無症候性DVTは同じPE発生頻度を示し,致死的なPE例はなかった.US法による近位型DVTの診断精度に影響する主な因子は,骨盤内と腹腔内に発生する孤立性血栓であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004