発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154762
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下肢手術患者で術前超音波検査法(US法)にて深部静脈血栓症(VDT)が認められず,術後にUS法と静脈造影法(VG法)が施行された105症例116肢(男性16例17肢・女性89例99肢,年齢24~94歳・平均66歳)を対象にUS法による下腿VDTの診断精度について検討した.その結果,下腿DVTにおけるVG法に対するUS法の診断精度は感度91%・特異度74%・正診率86%であった.US法により検出した症候性VDTは30%,無症候性VDTは70%で,臨床症状の有無から下腿VDTを診断することは困難であった.下腿VDTと肺塞栓症(PE)の関係では,症候性VDT 3例中1例,無症候性VDT 7例中3例にPEを認め,症候性PEは2例で下腿無症候性ヒラメ筋静脈血栓症によるものが多かった.US法による下腿VDTの診断精度に影響する主な因子は管腔が細い後脛骨静脈で,下腿本幹静脈や三頭筋静脈(特にヒラメ筋静脈)における血栓ではVG法でも検出できない症例が存在するものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005