発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004048439
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69歳男.約3ヵ月前から長時間の車の運転後に腰痛と左下肢痛が出現し,歩行困難となったため近医を受診,保存的治療を受けたが症状が改善しないため来院した.初診時,明らかな知覚低下・筋力低下・膀胱直腸障害は認めず,下肢深部反射は正常で病的反射も認めず,下肢伸展挙上テスト・大腿神経伸展テストも陰性であった.MRI所見ではL1/L2にヘルニア像を認め,脊髄造影像ではL1/L2高位で不完全ブロック像を呈し,特に右側に大きな欠損像を認めた.ミエロCTではL1/L2レベルから椎弓根レベルで正中からやや右側にヘルニア像を認め,馬尾神経は左側の椎間関節方向に偏位していた.以上の所見から,左下肢痛はL1/L2椎間ヘルニアが原因と診断し保存的治療を行ったが症状が改善しないためヘルニア摘出術を施行した.手術では硬膜管の過度の圧排を避けるため片側完全還納式椎弓切除術を用い安全にヘルニアを摘出した.術直後より左下肢痛は消失し,その後約3ヵ月間軟性コルセットを装用したが,術後1年を経過した現在,再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2003