発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004048440
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34歳女.2週間ほど前から左鎖骨に軽度の疼痛が出現,徐々に増強したため受診し,単純X線像にて左鎖骨中央に骨融解像を指摘され,精査加療目的で入院となった.入院時,画像所見では左鎖骨中央から内側にかけて骨皮質の菲薄化と膨隆を伴う骨融解像と骨皮質の一部に破壊像を認めたが,内部の石灰化はみられなかった.骨およびタリウムシンチグラフィーでは病変部に一致した異常集積像を認めた.以上の所見から動脈瘤様骨嚢腫,線維性骨異形成などの良性腫瘍を疑ったが高分化型骨内骨肉腫,転移性骨腫瘍なども否定できず,切開生検の結果で軟骨粘液性線維腫・軟骨芽細胞腫が疑われたため鎖骨と周囲筋群を含む広範腫瘍切除術を施行した.切除標本の病理組織学的所見では腫瘍細胞は明らかな核異型や多形性を示さず,悪性所見も認めず,さらに動脈瘤様骨嚢腫様変化や破骨型多核巨細胞が認められたことから最終的に軟骨粘液性線維腫と診断された
©Nankodo Co., Ltd., 2003