発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002064821
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28歳男.腰痛,両下肢の脱力を主訴とした.単純X線側面像でL2の楔状変形を認め,局所後彎角25°の後彎変形を呈していた.脊髄造影の側面像でL2椎体上縁レベルでの完全ブロック像と,L2/L3レベルでの前方からの硬膜の圧排を認めた.MRIの矢状断像ではL1/L2,L2/L3でのヘルニア塊による硬膜の圧排を認めた.脊髄円錐部はL1椎体下縁であった.以上よりL2の先天性後彎変形に伴うL1/L2,L2/L3の椎間板ヘルニアと診断し,手術を施行した.左後腹膜腔より進入し,L2椎体を全摘した後,L1/L2,L2/L3のヘルニアを前方より摘出した.全摘したL2椎体を粉砕し,チタニウムメッシュシステム内に詰め込み,切除した第12肋骨を支柱骨移植した.局所後彎角は20°に矯正された.術後1年の単純X線像では移植した肋骨の骨癒合が得られ,術前の症状は消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2001