発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004048434
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2002年6月までの過去6年間に脊椎障害によって手術を施行した351例中2箇所以上の広範囲の脊柱にわたる11症例(男性8例・女性3例,年齢62~76歳・平均69.3歳)を対象に形態学的特徴について検討した.その結果,頸椎・腰椎での狭窄症例が81.8%(9/11)と最も多く,次いで頸椎・胸椎狭窄症例が18.2%(2/11)であり,胸椎・腰椎や頸椎・胸椎・腰椎での狭窄による症例は認めなかった.頸椎では発育性の狭窄を認めた症例が72.7%(8/11)であったが,腰椎での発育性狭窄を認めたのは2例であった.外科的治療は頸椎では脊柱管拡大目的で片開き式椎弓形成術を10例に,C1の特発性亜脱臼を認めた症例ではC1後弓切除と椎弓形成術を施行した.胸椎では椎弓切除術を,腰椎ではL4変性すべりを認めた症例に後方進入椎体間固定術を行った.以上の結果と特定疾患としての広範脊柱管狭窄症の全国疫学調査結果から判断して変性性の変化に伴う脊柱管狭窄も広範脊柱管狭窄症として特定疾患の対象になるものと考えられた
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