発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004020903
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高齢者(78歳男)の反復性脱臼に対し手術を行い良好な成績を得た.本例では,以前より報告されてきた肩甲下筋腱の小結節からの剥離と,関節包の断裂といった前方支持機構の高度の破綻の他に,さらに上腕二頭筋長頭腱が関節内に脱臼し整復阻害因子になっていたことが反復性への移行の原因になったと考えられた.本例では肩甲下筋腱を小結節に縫着することにより前方安定化を図り,さらにBristow変法で補強した.股関節離断を伴い,車椅子移乗時のpush up動作の再獲得を目標としたため,腱板および腋窩神経麻痺の治療はとくに行なわなかった.術後は車椅子でのADLが自立し,患者の満足は得られたが,受傷後2年時点で三角筋の収縮を認めており,腱板機能の評価と術後リハビリテーションに関して課題を残した
©Nankodo Co., Ltd., 2003