発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004016004
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62歳女.右股関節痛を主訴とした.右上前腸骨棘から臀部とScarpa三角に圧痛を認め,Patrick徴候は陽性であった.単純X線にて臼蓋上外側壁に骨皮質の破壊を伴う陥凹があり,同部にガス像を認め,単純CTでは臼蓋上外側壁の骨皮質の破壊・陥凹とその外側に広がる腫瘤陰影を認め,腫瘤内部にはガス像がみられた.MRIでは腫瘤は全体にT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を示し,その内部にはガスと思われる低信号部分が散在していた.生検術にて骨内ガングリオンを疑い,手術を施行した.腫瘤壁切除後の骨欠損が大きく,また,術前より軽度の臼蓋形成不全が認められたため,臼蓋形成術を行い自家骨を移植した.腫瘤壁は線維性結合織からなっており,内腔側には明らかなlining cellを認めなかった.このため骨内ガングリオンと診断された.術後経過は良好で,術後3年の現在疼痛,ROM制限ともなく,JOAスコアは100点である.また,単純X線像での臼蓋上外側の骨形成も良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2003