発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004016005
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7歳男.左膝関節痛を主訴とした.左膝に挫傷を負い,縫合を受けドレーンを留置されたが強い疼痛が持続した.単純X線像では関節内に数個の小骨片様陰影があったが軟部組織にガス像を認めず,MRIでは膝蓋上嚢に筋内よりやや高信号で内部が不均一な腫瘤を認めた.関節穿刺培養でビブリオ菌が少量検出され,CRP高値が持続したため関節切開を施行し,ドレーンを留置した.病理学的にはnon-specific synovitis mildと診断された.入院4日後には滲出液の培養結果が陰性になり,CRPも改善したためドレーンを抜去した.入院後6日に術中標本の嫌気性菌培養でガス壊疽菌が検出され,CRPも再上昇し,抗生物質を塩酸セフォチアムからイミペネム:シラスタチンナトリウムに変更した.入院後4週にはCRP 0.5mg/dlで,クラリスロマイシンを内服投与としたが,左膝関節にはROM制限があり,また,単純X線像で小骨片様陰影の遺存を認めたため,関節鏡を施行した.受傷後1年時には単純X線像で左右差なく正常であり,ROM制限も認めない
©Nankodo Co., Ltd., 2003