発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003301974
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41歳女.5年前に右膝腱の外側に3cm大の腫瘤を認め,MRIのT2強調像で膝関節前下方に多房性を呈する高輝度の像が認められた.穿刺を行って4mlのゼリー状の内容物が採取され,ガングリオンと診断された.その後来院しなかったが,右膝関節部に腫脹が再発し,疼痛を伴った.CTで右脛骨前外側に腫大した腫瘤が認められた.手術所見で膝蓋腱の内・外側に縦切開を加え,皮下に青みがかった褐色の被膜を有する腫瘤が認められた.これを周囲組織より剥離していくと,内・外側の腫瘤は連続していた.その茎を膝前十字靱帯の脛骨付着部付近に認め,表層の一部を含めて摘出した.術後3年経過し,膝関節のROMは0~135°で,ADL障害はない.腫瘤の病理組織学的所見は,一層のライニング細胞を有する嚢胞状組織で,周囲には線維性組織の増生が認められた
©Nankodo Co., Ltd., 2003