発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004016003
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45歳女.主訴は左股関節部痛,左股関節伸展障害.左股関節伸展時に著明な疼痛を認め,Patrickテストは両側陽性であった.また,伸展-40°と左股関節のロッキング症状を認め,起立歩行不能であった.単純X線像では両側に臼蓋形成不全を認め,左側は進行期の変形性股関節症であった.MRIでは左骨頭内,後上方に骨嚢胞を認めたが,関節遊離体等のロッキングの原因となる異常は認めなかった.左股関節造影では関節唇の寛骨臼付着部に造影剤の貯留を認め,関節唇の断裂を考えた.股関節鏡にて関節唇の部分切除を行い,術後ロッキング症状は消失した.可及的に荷重歩行訓練を開始し,歩行時左股関節部痛は著明に改善された.しかし疼痛が残存したため,二期的に左臼蓋形成不全に対し寛骨臼回転骨切り術を施行した.術後経過は良好であり,術後8ヵ月の現在,左股関節部痛は消失している
©Nankodo Co., Ltd., 2003