発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003301962
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compression hip screwを施行した60歳以上の大腿骨転子部骨折89例(男13例,女76例,平均83歳).術前合併症は高血圧44例,循環器疾患19例,呼吸器疾患8例,脳血管障害14例,糖尿病11例,痴呆34例であった.術前骨折型はEvans分類type 1のgrade 1が19例,2が42例,3が24例,4が4例で,整復位は良85例,不良4例であった.最終歩行能に対する説明変数を術前合併症,放射線学的因子,年齢,性として重回帰分析を行ったところ,痴呆と性にのみ有意差が認められた.痴呆なし55例では術前独歩・杖歩行可能が95%,退院時が73%で,痴呆あり34例では各々75%,15%であった.術前独歩・杖歩行可能例において,痴呆なし例は術後経時的に歩行能改善が認められたが,痴呆あり例では5週以降改善を認めなかった.又,痴呆あり例は,術後3週で独歩・杖歩行となる例が比較的多かった.痴呆重症度別の最終歩行能では,重度になるにしたがって車椅子・寝たきりの割合が増加した
©Nankodo Co., Ltd., 2003