発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003150370
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36歳男(左利き).右小指中節部の腫瘤を主訴とした.単純X線所見で右小指中節骨の尺掌側にX線透過性の腫瘍がみられ骨皮質のscalloping(盃状変形)や骨硬化を認めた.腫瘍は皮下に膨隆して内部には散在性の石灰化がみられた.以上より右小指中節骨軟骨性の腫瘍を疑って切除術を施行した.側正中皮切により腫瘍は容易に露呈された腫瘍は灰白色かつ表面平滑で骨膜を含めて切除した.その後,皮質骨を十分に掻爬した骨髄腔との連絡は認めなかった.皮質骨の陥凹による骨脆弱性,易骨折性を危惧して,掻爬部に橈骨遠位部からの海綿骨移植を施行した.病理組織所見から骨膜性軟骨腫と診断した.術後1年時,移植骨の骨癒合は良好で局所再発及び転位は認めず,遠位指節間関節の若干の可動域制限を認めるのみである
©Nankodo Co., Ltd., 2003