発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003150371
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65歳男.右膝の腫脹と疼痛を主訴とした.エコーにて膝蓋骨上縁に血腫を認めた.単純X線側面像においては明らかな膝蓋骨低位は認めなかった.MRIでは膝蓋骨上部で大腿四頭筋腱の連続性が断たれ,血腫と思われる高輝度領域が存在していた.以上より大腿四頭筋腱断裂と診断して手術を施行した.術中病理所見で腱骨移行部の腱組織は軟骨化生,一部骨化巣があり断裂部はリンパ球浸潤を伴う肉芽増生巣がみられた.又,石灰沈着像も一部で認められた.術後3日より持続的他動運動にて可動域訓練を開始した.術後4週より硬性膝装具伸展0°固定下に部分荷重を開始して術後5週に全荷重を開始した.術後3ヵ月で装具を終了した.術後4ヵ月の時点でX線像上外側部のステイタックの弛みが認められるが,同部の違和感,圧痛は認めず,自動屈曲0~130°,自動伸展不全0°である.立位,歩行時の疼痛もみられず,日常生活に支障はない
©Nankodo Co., Ltd., 2003