発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002246612
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52歳男.マラソン(30km走)を行ったあと右上肢をワゴン車の背もたれの後ろに約1時間半投げ出していたところ,帰宅してから右母指に疼痛,腫脹が出現した.受診時,母指末梢の痛みが著明であり,注射針の刺入で出血を認めず,急性動脈閉塞と診断した.プロスタグランジン等の投与を行ったが,母指指節間遠位の壊死に陥った.血管造影で橈骨動脈が上腕動脈と浅上腕動脈との交通枝に血流支配され,前腕回内位での交通枝閉塞に伴って橈骨動脈の血流が途絶するのを認めた.このため交通枝を結紮・切離すると共に,橈骨動脈の血流確保を目的として上腕動脈,浅上腕動脈の側側吻合を行った.術後の血管造影で橈骨動脈に十分な血流が保たれているのを確認した
©Nankodo Co., Ltd., 2002