発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002219542
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32歳男.右母指中手指節(MP)関節部に運動時痛を生じ,腫脹も出現したため受診し,腱鞘炎と診断され,治療されたが疼痛が軽快しなかった.弾性硬で可動性のない腫瘤を触知し,X線で母指中手骨頸部および基節骨基部の骨皮質の一部破壊を思わせる多房性で,境界明瞭な病的透明巣を認め,断層撮影で,変化は一層明瞭であった.骨シンチでMP関節を挟み中手骨と基節骨に強い集積像,CTで筋肉とほぼ等輝度の病巣を認め,関節面を含むMP関節部と骨髄腔の破壊をみた.骨巨細胞腫,滑膜肉腫,腱鞘巨細胞腫を疑い,術中迅速病理診断を行い,良性腫瘍であったため病巣切除,骨移植術を施行した.病理組織所見より,組織球様の円形細胞増生と,多核巨細胞を認め,腱鞘巨細胞腫と診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2002