臨床室
腱鞘巨細胞腫による弾発手関節の1例
三又 義訓
1
,
佐藤 光太朗
,
村上 賢也
,
及川 諒介
,
菊地 祐樹
,
土井田 稔
1岩手医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節疾患
,
MRI
,
手関節
,
軟部組織腫瘍
,
腱鞘巨細胞腫
Keyword:
Giant Cell Tumor of Tendon Sheath
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Joint Diseases
,
Radiography
,
Soft Tissue Neoplasms
,
Wrist Joint
pp.125-127
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017143375
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症例は26歳男性で、2ヵ月前から左手指の屈伸時、手関節部に弾発現象と疼痛を認めた。MRIで手根管内の深指屈筋腱周囲にT1強調画像で低輝度、T2強調画像で高輝度を示す腫瘤性病変を認め、ガドリニウムによる造影効果も認めた。手根管内に生じた腫瘤性病変による弾発手関節と診断し、軟部腫瘍摘出術を施行した。腫瘤摘出後、手指の屈伸による弾発現象が消失したことを確認し、手術を終了した。病理組織所見では、低倍率で組織球様細胞と紡錘形細胞の結節性増生を多数認め、高倍率で多核巨細胞の集籏を認めた。組織像より、腱鞘巨細胞腫と診断した。術後2年で弾発現象は認めず、MRIでも再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017