発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013026105
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
10歳男児。左小指球部の腫脹と疼痛を主訴とした。単純X線、MRI所見では有鉤骨の一部に骨欠損を認め、有鉤骨を圧排する腫瘤を認めた。良性軟部腫瘍を疑って手術を行い、腫瘍および腫瘍が圧排していた有鉤骨の部分の掻爬を行った。病理組織所見ではシート状に増殖する類円形細胞と破骨細胞様の巨細胞の混在、部分的なヘモジデリンの沈着を認めたことより、腱鞘巨細胞腫と診断した。術後2年現在、再発は認めない。また、腫瘍に圧排された骨病変はリモデリングされ、ほぼ原型に戻った。腱鞘巨細胞腫で手根骨に生じた骨病変の報告は少なく、骨圧排は少なかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012