発行日 2002年3月1日
Published Date 2002/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002152517
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52歳男.5ヵ月前より持続する左膝の関節水腫・引っかかり感を主訴に来院した.触診で膝蓋上嚢部に直径約4cmの腫瘤を触知し,屈伸時に膝蓋大腿関節で弾発した.MRIではT1強調画像で低信号,T2強調画像で等信号の実質性腫瘤像が膝蓋上嚢部に認められ,造影CTでは大腿四頭筋腱ないしその周辺滑膜に茎を有するポリープ上腫瘤として描出された.これらの所見から限局型色素性絨毛結節性滑膜炎もしくは腱鞘巨細胞腫と術前診断し鏡視下摘出術を行った.摘出された腫瘤は3×2cm大,弾性硬で,割面は白色を呈し,一部に出血と粘液腫状の部分を認めた.病理組織学的には,膠原線維を伴った粘液状基質を背景に筋線維芽細胞の増殖を認め,いわゆる組織培養形態を呈していた.又,一部に出血,凝固壊死もみられ,破骨型巨細胞も少数ながら出現していた.これらより膝関節発生の筋膜炎様増殖と確定診断した
©Nankodo Co., Ltd., 2002