発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012048014
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49歳男。左環指基部痛・腫脹を主訴とした。X線で環指基節骨近位に偏心性に地図状溶骨像と、ballooningおよび皮質の破壊を認めた。MRIでは基節骨内にT1強調画像で低信号、T2強調脂肪抑制画像で低信号と高信号が混在する部分を認め、周囲の浮腫像も認めた。前額断像では腫瘍の骨外への進展を認めた。切開生検を施行したところ血管内皮細胞の増生を認めたが、悪性所見はなかったため、病巣掻爬と自家骨移植を行い、鋼線固定を追加した。病理組織学的所見で、血管内皮様紡錘形細胞の増生と、軽度の核異型や少数の核分裂像を認めた。免疫組織染色では、vimentin、CD31、CD34、α平滑筋アクチンが陽性であった。HE染色では核小体を有する紡錘形細胞がスリット状の血管腔を形成しつつ増殖しており、シート状増生も認め、稀な骨血管内皮腫と診断した。術後18ヵ月の現在、骨癒合が得られ、再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011