発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002129284
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24歳女.10歳時より摂食障害があり,23歳時に自殺企図の既往があり,自宅アパート4階より自殺企図により飛び降りた外傷で,画像診断により,右上腕骨頸部脱臼骨折に伴い,骨頭が胸腔内に迷入していることが判明した.その他に右大腿骨転子下骨折と骨幹部開放骨折,左大腿骨顆粒部骨折,骨盤骨折も認めた.手術により救命し,観血的整復固定術後9週後に片松葉杖にて歩行可能となった.早期より精神科医による治療を依頼し,精神状態は安定しているように思われ,通院によるリハビリを想定した外泊を行った.しかし,外泊後に病院の4階から再度の飛び降りを行い,死亡した.本例の上腕骨骨折は髄内釘による固定により術後11週までは経過良好であった.癒合不全や骨頭壊死を生じた場合には,その時点で人工骨頭置換術を選択すべきであると考察した
©Nankodo Co., Ltd., 2002