発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016356162
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肘関節脱臼を伴った小児上腕骨外側顆骨折12例(男児11例、女児1例、平均年齢7歳10ヵ月)の予後について検討した。受傷機転は転落7例、転倒5例、受診までの期間は当日7例、翌日3例であり、うち正しく診断できたのは4例、6例は上腕骨遠位骨端離開と診断された。残る2例は初療医で脱臼が見逃されたまま外側顆骨折の骨接合が行われ可動域(ROM)制限をきたし、各々4ヵ月、1年6ヵ月後に当科を受診した。受診時に正診された4例は脱臼を整復し、3例は外側顆骨折を観血的に鋼線で内固定した。1例はギプス固定後に尺骨神経麻痺を認め、観血的整復術と尺骨神経剥離術を行った。予後調査ができた7例の調査期間は平均4年1ヵ月で、正診4例と骨端離開と診断の6例は、ROM、肘外偏角とも健側差5°未満と機能的、整容的に問題なく、尺骨神経麻痺合併の1例は術後6ヵ月で内在筋は改善した。脱臼見逃しの2例はROM制限が残存したが、機能障害の訴えはなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016