発行日 2002年1月1日
Published Date 2002/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002117694
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Chiari形態異常に対して空洞シャント術を併用せず,硬膜外層切開を加えた後,頭下減圧術を行ってきた.治療成績及び,本術式が第一選択となりうるかどうか検討した.後頭部病は術前9例に認め,消失5例,改善4例であった.脳神経症状は13例に認め,消失或いは改善9例,不変4例であった.上・下肢運動機能で1段階以上の改善は,各々8例と5例であった.知覚障害の改善は11例であった.2項目以上の改善を示した有効改善例は12例,1項目以上の改善は17例に認められた.JOAスコアの改善率は40.8%であった.術後合併症はとくに認められなかった.MRI所見として,空洞の縮小は17例中11例に認められた.後頭部及び後頭環椎部のクモ膜下腔の拡大は全例に得られた.環椎後弓切除は14例,後頭骨かC2迄の骨板とワイヤリングによる後方固定を2例に,腰椎開窓術を3例に併用した.脊髄に対する侵襲も小さく,手技も容易で,第一選択として考慮すべき術式と考えた
©Nankodo Co., Ltd., 2002