Japanese
English
臨床経験
硬膜外層のみの減張切開にて大後頭孔部減圧術を行ったChiari奇形合併の脊髄空洞症の1症例
One Case of Syringomyelia Associated with Chiari Malformation Treated by the Foramen Magnum Decompression with the Decompression of the Outer Layer of the Dura Mater
井須 豊彦
1
,
佐々木 寛
2
,
後藤 聡
2
,
板本 孝治
2
,
高橋 功
2
,
牧野 憲一
2
,
鈴木 望
2
,
西原 功
2
,
高村 春雄
2
Toyohiko Isu
1
1釧路労災病院脳神経外科
2旭川赤十字病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kushiro Rousai Hospital
キーワード:
Chiari奇形
,
Chiari malformation
,
術中超音波診断
,
intraoperative sonography
,
脊髄空洞症
,
syringomyelia
,
大後頭孔部滅圧術
,
foramen magnum decompression
Keyword:
Chiari奇形
,
Chiari malformation
,
術中超音波診断
,
intraoperative sonography
,
脊髄空洞症
,
syringomyelia
,
大後頭孔部滅圧術
,
foramen magnum decompression
pp.1203-1206
発行日 1991年10月25日
Published Date 1991/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900453
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抄録:硬膜外層のみの減張切開にて,大後頭孔部減圧術を行い,良好な手術結果を得たChiari奇形合併の脊髄空洞症の1症例を経験したので報告した.症例は45歳,女性で約2年前より,咳,クシャミをすると右後頸部より右肩にかけて痛みが走るようになり,当科入院となる,入院時,①右上肢腱反射低下,②右側C2~Th6レベルの温痛触覚低下がみられ,MRIにて,Chiari奇形,脊髄空洞症(C2~Th6)と診断された.手術は,後頭下開頭術に加え,第1,2頸椎椎弓切除を施行し,大後頭孔部硬膜外層のみの減張切開を行った.術中超音波像にて大後頭孔部の減圧が十分であることを確認し,手術を終了した.術後1週目には,放散痛は消失し,知覚障害の改善がみられた.また,術後MRI(術後2週目)では,空洞は縮小しており,大後頭孔部の減圧が十分であることが診断された.
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