発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001178005
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症例1は65歳男性で左上肢疼痛,知覚低下を呈した.MRIで両側小脳扁桃下垂,歯突起周辺の圧迫病変とTh1~Th4に脊髄空洞症を認めた.大後頭孔減圧術および空洞くも膜下腔シャント術を施行した.症例2は22歳女性で左上肢疼痛,温・痛覚低下を呈した.両側小脳扁桃下垂,歯突起による大後頭孔部での髄液の拍動不良があり大後頭孔減圧術を施行した.Arnold-Chiari奇形I型は小脳扁桃が大後頭孔内に陥入する疾患であるが心収縮期での小脳扁桃の拍動性下垂の振幅が正常に比し増大し,大後頭孔周辺でのくも膜下腔を狭小化することにより脳脊髄液の頭蓋内くも膜下腔より脊椎内くも膜下腔への流入を妨げ遅延させている所見がMRIによる髄液画像で得られている
©Nankodo Co., Ltd., 2001