発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007095260
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54歳女。指趾の関節リウマチ(RA)であり、計3回の両側足趾関節手術の既往があった。近医にてサラゾスルファピリジン、ジクロフェナクナトリウム、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液などの内服薬を処方されていたが、疼痛およびしびれが両側下腿から大腿にいたるまで増悪し、両下肢の筋力低下も伴い歩行不能となった。入院時、RAによる指趾の変形があり、脊髄MRIでChiari I型奇形、脊髄空洞を、FRAIR画像では歯突起骨髄の信号上昇を認めた。また、腰部MRIでは脊髄円錐までつながる巨大脊髄空洞症を、頭蓋頸椎移行部CTでは頭蓋陥入症、斜台異常、環椎後頭骨癒合を認めた。Chiari I型奇形による脊髄空洞症と診断し、大孔部減圧術、環椎軸椎椎弓切除術、脊髄空洞-くも膜下腔シャント術を施行した。術後リハビリテーションを行い、1ヵ月経過時点では家中において歩行可能となった。感覚障害と疼痛は完全には消失していないが、鎮痛薬の内服量を軽減できており、術後16日目の脊髄MRIで脊髄空洞は劇的に改善していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2006