発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002058049
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79歳男.両手のしびれ,歩行困難を主訴とした.単純X線で環椎歯突起間距離は前屈位4mm,後屈位3mmと明らかな輪軸椎不安定性は認めなかったが,環椎部脊柱管前後径は12mmと狭小化を呈していた.開口位正面像では,環椎は歯突起に対し左側に偏位し,両側の外側環軸関節に高度の変形性関節症性変化を認めた.脊髄造影像では環軸椎間で不完全ブロック像を呈し,ミエロCTでは歯突起後方の分葉状腫瘤により脊髄が前方より圧迫され,特に左側で高度であった.MRIの正中矢状断像では歯突起後方にT1強調像で等,T2強調像で低輝度を呈する腫瘤により脊髄が圧迫され,横断像では環椎レベルで分葉状腫瘤により脊髄が左側から圧迫されていた.横靱帯の高度肥厚による頸髄圧迫と診断し,ハローベスト装着後,環椎後弓切除術及び後頭骨軸椎後方固定術を施行した.術後14ヵ月経過し,両手のしびれ,巧緻運動障害は改善し,JOAスコアは術前10点から11.5点となった
©Nankodo Co., Ltd., 2001