発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002062230
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12歳女.生下時より二分脊椎による開放性脊髄髄膜瘤を伴い,重度の後彎症を合併していた.一期的閉鎖術と水頭症に対するVPシャント術,L2~L4の椎弓切除術が行われたが,その後再発性大腿骨骨折に対する長期ギプス加療等で,頂椎部に褥瘡を生じた.背部に著明な骨性隆起を認め,高位麻痺と坐位バランス不良の為自立坐位は不可能で,両下肢自動運動はなかった.後彎矯正及び褥瘡根治を目的として手術を行った.後方より展開するとTh6以下で椎弓の欠損があり,硬膜管は頂椎周囲まで存在していた.まず硬膜管を結紮し後彎部椎体を全周性に剥離した後,L1~L3の3椎を切除した.次いでSteinmannピン2本を遠位椎体に打ち込み,cantilever techniqueにより矯正を行った後,sublamina wiringによりTh3~L4までを固定した.術後後彎は90°に矯正され,隆起はほぼ消失した.術後2年4ヵ月経過し,骨癒合は良好で矯正損失もなく,褥瘡も軽快して車椅子での生活が可能となった
©Nankodo Co., Ltd., 2001