発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001261665
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78歳男.10年に亘る右肩関節痛を主訴とした.自動運動は疼痛のため肩関節の外転不可能で,インピンジメントサイン,インピンジテストは共に陽性であった.単純X線像では,肩峰下面に骨棘形成,肩峰下腔に複数の小骨片様陰影,大結節腱板付着部の不整な骨増殖像,肩鎖関節の関節性変化を認めた.関節造影では造影剤の漏出は認めなかった.MRIでは,肩峰下面に骨片様陰影を認めた.以上より肩峰下インピンジメント症候群の診断のもと手術を施行した.術中所見では,大結節から棘上筋腱にかけて摩耗が著しく,腱板表層断裂が観察され,腱板内には小骨片様物を認めた.骨片切除後,肩峰下面の骨棘切除を行い,断裂に対し表層部のトリミングを行った.病理組織所見で骨片は線維性軟骨,硝子様軟骨など軟骨細胞で占められ,著しい石灰化を伴っていたが,骨梁構造はみられなかった.術後,症状の改善が得られ,経過良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2001