発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001249935
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症例は48歳女で,主訴は胸部X線像での異常陰影である.入院時右側に縮瞳,眼瞼下垂及び軽度の眼球陥凹がみられ発汗は右半身で低下,左半身で増加を認めた.胸部CTではTh1レベルの腫瘤は5×6cm,内部は均一で低輝度を示す充実性であった.腫瘍の大部分は脊柱管より椎間孔を介し胸腔内へと浸潤していた.以上より,胸髄砂時計腫と診断した.手術はまず後方より脊柱管内の手術,硬膜外腫瘍を超音波メスを用いて椎間孔まで切除した.次いで後側方切開にて後縦隔部の腫瘍を摘出した.腫瘍は約5×6cmの楕円形で胸腔内より茎状にTh1の椎間孔に連続していた.病理組織所見では腫瘍細胞は,Antoni typeAと,typeBが混在している神経鞘腫であった.術後3ヵ月で左半身の発汗量の減少を認め,術後8ヵ月の現在,腫瘍の再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2001