発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001244607
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は64歳男で,主訴は項頸部痛である.項頸部痛,激しい頭痛が出現し,内科で髄膜炎と診断され抗生剤の投与で髄膜刺激症状や,炎症所見は改善したがその後も頸部痛が持続した.整形外科で5ヵ月間の装具療法で経過を観察したが頑固な頸部痛が改善しなかった.発症よりの画像を検討すると,初診時には歯突起の骨破壊像は進行し環椎歯突起間距離は前屈位13mm,後屈位0mmと不安定性を示した.3D-MRIでは,環軸椎の不安定性による硬膜の圧排像がみられた.以上より,項頸部痛の原因は環軸椎不安定性と考え,環軸椎後方固定術を施行した.環軸椎間の不安定性は著明で環軸椎をBrooks法で固定した.術後4週間で頸部痛は改善し,16週間で骨融合を得た.術後4年の現在,愁訴はない
©Nankodo Co., Ltd., 2001