発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005251881
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69歳男.左肩疼痛,左握力低下,左眼裂狭小,尿閉が出現した.浮腫はなく,神経学的には高次脳機能に異常を認めなかった.検査所見ではWBCの上昇,凝固系の亢進,TG,LDH,GGT,CKおよびCRP,C3c,CH50の上昇を認めた.頭部MRIで異常所見はなく,頸部MRIの矢状断で第4~5頸椎レベルの頸髄にT2強調像高信号を認めた.横断面では頸髄の左側半分の前方に限局する高信号を認め,梗塞は灰白質に限局していると考えた.脊髄梗塞と診断し,尿閉に対しては尿道バルーンカテーテルを挿入すると共に,十分な補液とalprostadil 10μgを点滴し,aspirin 100mg内服を開始した.その結果,2週間後に左肩の疼痛は消失し,以後排尿,握力,瞳孔径も改善し,眼裂狭小は軽度残存するのみとなった
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