発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2001205456
- 有料閲覧
- 文献概要
47歳男.20歳時より約27年間,X線技師として勤務していた.外傷の既往なく右母指尺側に疼痛と腫瘤を自覚した.右母指指節間関節中枢レベルの尺側に約3mmの紡錘形,弾性硬,皮膚との可動性のある腫瘤が存在し,同部に圧痛を認め,手術した.尺側固有指動脈には楕円形,表面平滑,暗赤色の多房性の動脈瘤がみられ,動脈瘤に固有指動脈が流入・流出していた.それぞれを結紮し,動脈瘤を切除した.病理組織所見より真性動脈瘤と診断した.術後経過は良好で,13ヵ月が再発,疼痛なく経過した.右手で把持したX線カセットが右母指尺側の固有指動脈に慢性的な刺激を与え,指動脈の壁が拡張して真性動脈瘤を形成したと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2001