発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009068029
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43歳女。主訴は左母指の腫脹・疼痛であった。ドッジボールが左母指に当たり過伸展して受傷し、保存的に加療したが腫脹・疼痛が2ヵ月持続していた。同部は触診で拍動を認め、MRIでは左母指球部にT1強調像で等信号・T2強調像で高信号の腫瘤を認めた。血管造影では左母指主動脈の分岐に嚢状の血液貯留像を認め動脈瘤と診断した。この分岐は深部で長母指屈筋腱と中手骨の間から動脈瘤に入っていたため手術により結紮・切離した。病理組織的に動脈壁構造の存在しない線維性組織とその内部に血栓を認め、仮性動脈瘤と診断した。術後5ヵ月現在、腫瘤の再発はなく疼痛も消失して経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2008