発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012214239
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大腸穿孔手術を施行した24例(男10例、女14例)を対象に、年齢、穿孔部位、原疾患などについて検討した。平均年齢は72.4歳で、70歳以上の高齢者の割合は16例であった。穿孔の原因は憩室によるものが12例と最も多く、穿孔部位はS状結腸が17例で最も多かった。手術術式は、Hartmann手術が12例で最も多かった。ストーマは17例に造設されていた。術前に合併症を保有していたのは13例で、術後合併症は16例に発生していた。在院死の5例はいずれも術前慢性疾患を有していた。生存例と死亡例をacute physiology and chlonic evaluation IIスコア(APACHEIIスコア)を用いて比較したところ、生存例が8.9点、死亡例は19.8点で有意差を認めた。以上のことから、大腸穿孔の生命予後を決定づける因子はAPACHEIIスコアと術前に保有していた合併症であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012