発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016152974
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74歳男。食道表在癌(pT1a-EP)に対する内視鏡的粘膜切除術後3年6ヵ月に近医で腹部腫瘤を指摘され、当科を紹介受診した。胸腹部造影CTで胃小彎側に辺縁部優位に不整な造影効果を伴う60mm大の腫瘤性病変を認め、FDG-PETでは胃小彎部の腫瘤に一致して異常集積がみられた。上部消化管内視鏡では局所再発や異時性多発癌を認めず、転移リンパ節や悪性リンパ腫などの悪性病変を考え、開腹手術を行った。手術所見では胃体上部小彎側に鶏卵大の白色調腫瘤が胃壁と連続して存在し、同腫瘤は肝外側区域および横隔膜食道裂孔部に強く癒着し浸潤が疑われたため、胃全摘術、肝部分切除、横隔膜部分切除を伴う腫瘤摘出術を施行した。病理組織学的に食道表在癌の腹部リンパ節転移と診断され、術後3年間は無再発生存を確認したが、術後4年1ヵ月目に小細胞肺癌で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016