癌個別化医療はどこまですすんだのか
各論 食道表在癌の個別化医療 センチネルリンパ節理論を中心に
竹内 裕也
1
,
川久保 博文
,
才川 義朗
,
大森 泰
,
北川 雄光
1慶応義塾大学 外科
キーワード:
放射性トレーサー
,
リンパ行性転移
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
センチネルリンパ節生検
,
オーダーメイド医療
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
放射線化学療法
,
センチネルリンパ節
Keyword:
Sentinel Lymph Node
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoscopy
,
Lymphatic Metastasis
,
Radioactive Tracers
,
Sentinel Lymph Node Biopsy
,
Precision Medicine
,
Chemoradiotherapy
pp.1039-1044
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011352201
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食道癌のリンパ節転移は、頸部から腹部まで多方向性に分布する特徴を有しており、食道癌に対する個別化縮小治療への障壁となっている。近年食道癌においてもセンチネルリンパ節画像診断、生検手技が確立しつつあり、従来解剖学的に跳躍リンパ節転移と考えられていたものの多くが、センチネルリンパ節への転移であることを示す結果が得られている。これまでの検討で、cN0食道表在癌においてはセンチネルリンパ節部位を重点的リンパ節郭清領域とすれば局所制御しうる可能性が示唆されており、今後リンパ節郭清領域の個別化に加えて根治的化学放射線療法における照射野設定、内視鏡的粘膜切除術・内視鏡的粘膜下層剥離術(EMR/ESD)適応拡大などへの臨床応用が期待されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2011