特集 小児外科領域における感染症-抗菌薬の選択と意義
穿孔性虫垂炎
金田 英秀
1
,
越永 従道
1日本大学 医学部小児外科
キーワード:
Cefmetazole
,
抗細菌剤
,
虫垂炎
,
虫垂切除
,
腸穿孔
,
微生物薬物感受性試験
,
腹腔鏡法
,
後向き研究
,
治療成績
,
Meropenem
,
Tazobactam-Piperacillin
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Cefmetazole
,
Retrospective Studies
,
Appendectomy
,
Appendicitis
,
Treatment Outcome
,
Piperacillin, Tazobactam Drug Combination
,
Laparoscopy
,
Meropenem
,
Intestinal Perforation
,
Microbial Sensitivity Tests
pp.943-947
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2021032583
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5年間に治療した15歳以下の急性虫垂炎181例のうち、穿孔性虫垂炎23症例(12.7%)について後方視的に検討し、適切な抗菌薬治療の選択について考察した。男女比は13:10で、6歳以下の穿孔率は12.5%、7歳以上は12.7%であり、術後合併症は5例(21.7%)に認め、その内訳は腸閉塞2例、遺残膿瘍3例であった。また、腹水細菌培養検査の細菌検出率は65.2%で、Escherichia coli、Streptococcus spp.、Bacteroides fragilis、Pseudomonas aeruginosaが高率に検出されており、薬剤感受性試験の結果から本症に対する初回抗菌薬としてタゾバクタム/ピペラシリンもしくはメロペネムの単剤療法が適切と考えられた。本症に対しては高頻度に検出される菌種を確実にカバーする抗菌薬治療を選択することの重要性が示唆された。
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