特集 多剤耐性グラム陰性菌対策を見直す-『薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン』に向けて
多剤耐性グラム陰性菌における抗菌薬適正使用 基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌
吉川 晃司
1
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 感染制御部
キーワード:
Beta-Lactamases
,
Carbapenems
,
Escherichia coli
,
抗細菌剤
,
グラム陰性細菌感染症
,
医薬品適正使用
,
細菌多剤耐性
,
抗菌薬適正使用支援
,
カルバペネム耐性
Keyword:
Antimicrobial Stewardship
,
Anti-Bacterial Agents
,
beta-Lactamases
,
Escherichia coli
,
Carbapenems
,
Gram-Negative Bacterial Infections
,
Drug Resistance, Multiple, Bacterial
pp.104-108
発行日 2018年6月10日
Published Date 2018/6/10
DOI https://doi.org/10.34426/J03177.2018256909
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ESBL産生菌感染症に対しカルバペネム系薬は最も信頼できる抗菌薬であり、とくに重症例や菌血症例において第1選択薬となる。しかし、カルバペネム系薬使用例の増加が懸念され、適切な代替薬が望まれている。TAZ/PIPC、CMZ、FMOXは軽症~中等症例や薬剤感受性判明後のde-escalationの際の選択肢、カルバペネム系薬の代替薬として考えられている。FRPM、FOMはガイドラインで膀胱炎に対する経口抗菌薬として推奨されている。ESBL産生菌検出例に対して抗菌薬治療の必要性を十分に評価し、薬剤感受性、重症度、感染臓器を考慮した上で、抗菌薬を選択することが必要である。
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