発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015339728
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36歳男。右下腹部痛を主訴とした。右下腹部痛と下痢、嘔吐にて救急搬送され、急性虫垂炎の診断で腹腔鏡下虫垂切除術が施行されたが、術後に腹腔内膿瘍形成を認め、絶食下に抗生物質治療を行った。術後13日目に意識消失、タール便と血圧低下を来たしてショック状態となり、上部消化管内視鏡検査にて十二指腸下行部のVater乳頭対側に凝血塊を伴う小潰瘍病変と拍動性の出血を認めたため、クリップ法と局所注入法を併用して止血し、絶食下にプロトンポンプ阻害薬を投与した。1週間経過後には病変部の瘢痕形成がみられ、術後3年経過時点で潰瘍の再発はない。本例では病理学的検索は行えていないが、内視鏡診断基準に合致すると考えて十二指腸下行部Dieulafoy潰瘍と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015