発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004194105
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内視鏡的止血術から緊急手術に移行した出血性胃十二指腸潰瘍症例について検討した.対象は,手術に移行した5例(男性4例,女性1例・平均年齢65.5歳)で,内訳は胃潰瘍3例,十二指腸潰瘍2例であった.その結果,内視鏡的出血像はIaが1例,Ibが1例,IIaが2例,IIbが1例で,内視鏡的止血術はHSE注入が3例,clippingが2例,エタノール注入が2例であった.止血効果に関しては止血不能が2例,一時的止血後の再出血が3例で,術式は胃切除術が4例,胃切開・縫合止血術が1例であった.胃切除術施行例では内視鏡的止血術(HSE注入)により生じたと思われる広範囲粘膜下出血が1例にみられ,また十二指腸潰瘍球部の強度浮腫も1例に認められた.以上,これらにことからも,内視鏡的止血術は,その施行と同時に,術式の選択については慎重に考慮すべきだと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004