消化器診療-30年と今後の展望
肝臓領域の変遷と展望 外科
山下 俊
1
,
長谷川 潔
,
國土 典宏
1東京大学医学部附属病院 肝胆膵外科・人工臓器移植外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝静脈
,
肝切除
,
外科的止血
,
術中期
,
塞栓術
,
腹腔鏡法
,
門脈
,
コンピュータシミュレーション
,
三次元イメージング
,
周術期管理
,
超音波造影検査
Keyword:
Embolization, Therapeutic
,
Computer Simulation
,
Hemostasis, Surgical
,
Hepatectomy
,
Hepatic Veins
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Intraoperative Period
,
Laparoscopy
,
Portal Vein
,
Perioperative Care
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.65-72
発行日 2014年12月20日
Published Date 2014/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015108248
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肝切除術は,1980年代に術中超音波・系統的亜区域切除術・肝阻血法・門脈塞栓術などの新技術の導入により,肝硬変合併肝細胞癌の癌根治性と肝機能温存という相反する課題を克服しつつ進歩してきた.これに伴い,短期・長期の手術成績は飛躍的に進歩した.1990年代には本格的に生体肝移植が始まり,うっ血域の評価や肝静脈再建といった肝移植分野特有の技術の進歩が一般の肝臓外科へフィードバックされ,肝臓外科全体の進歩が加速される結果となった.低侵襲手術として内視鏡的肝切除技術も発達し,肝部分切除や外側区域切除が保険適応となった.今後の肝臓外科領域では,術前・術中ナビゲーション技術の進歩と肝移植のさらなる技術開発によって,より安全で正確な肝切除術の実現が期待されている.
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