男性乳癌の超音波像

過去10年間に手術を行った男性乳癌5症例の超音波像について、女性化乳房15例との鑑別の観点から比較･検討した。男性乳癌は5例中4例が偏中心性であったが、女性化乳房は15例中14例が中心性であった。また、男性乳がんは境界明瞭であったが、境界不明瞭、辺縁粗造であった。男性乳がんは低エコー腫瘤であったが、女性化乳房は乳頭直下の豹紋状陰影を呈することが多かった。男性乳癌にみられた石灰化像、嚢胞変性部分、内部血流は、女性化乳房にみられることは稀な所見であった。