括約筋間直腸切除術(ISR)のすべて
肛門管に浸潤する下部直腸癌の病理学的特徴
梶原 由規
1
,
上野 秀樹
,
神藤 英二
,
長谷 和生
1防衛医科大学校 外科
キーワード:
危険因子
,
肛門腫瘍
,
腫瘍侵入性
,
直腸腫瘍
,
直腸切断術
,
肛門括約筋温存術
,
肛門挙筋
Keyword:
Anus Neoplasms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Risk Factors
,
Rectal Neoplasms
pp.258-263
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015130700
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下部直腸・肛門管癌に対する括約筋間直腸切除術(intersphincteric resection:ISR)の適応決定には,肛門側断端距離およびcircumferential marginの確保の可否に関する術前評価と術中の判断が重要である.腹会陰式直腸切断術が施行された下部直腸・肛門管癌例の手術標本を病理組織学的に見直すと,ISRが施行されたと仮定した場合にも腫瘍学的な根治性は損なわれないと判断される症例が多々存在する.肛門管内の腫瘍進展の判断を的確に行うことにより,今後ISRの適応拡大は可能であると考えられるが,すべての下部直腸・肛門管癌で施行できるわけではない.本稿では,ISRを施行することにより癌の根治性が損なわれる症例の特徴について解説する.
©Nankodo Co., Ltd., 2015