局所高度進行直腸癌のすべて
局所進行直腸癌の病理学的諸問題
神藤 英二
1
,
上野 秀樹
,
内藤 善久
,
島崎 英幸
,
長谷 和生
1防衛医科大学校
キーワード:
筋膜
,
抗腫瘍剤
,
腫瘍侵入性
,
直腸腫瘍
,
治療成績
,
ネオアジュバント療法
,
放射線化学療法
,
組織診
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Fascia
,
Neoplasm Invasiveness
,
Rectal Neoplasms
,
Treatment Outcome
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
pp.234-238
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013136069
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大腸癌の深達度分類では,その症例分布に偏りがあり,特に直腸癌では深達度pA例の占める割合が高い.近年,固有筋層からの浸潤距離を基準としたpA癌の亜分類の有用性が指摘されているが,具体的な分類方法は定まっていない.また,直腸固有筋膜が組織学的に同定できず,total mesorectal excision(TME)の完成度や,側方領域への直接浸潤の判定が困難なこと,さらに術前化学放射線療法の効果判定の基準が癌の変性像により規定されており,線維化を主体とする組織像の判定に適さないことも臨床病理学的な問題点としてあげられよう.これらはいずれも予後予測や術後補助療法の選択などに影響する診断項目であり,今後解決のための取り組みが不可欠である.
©Nankodo Co., Ltd., 2013